作業療法学科の学生が書く見学実習レポートの雛形を以下に示します。これに沿って記載することで、内容を整理しやすく、論理的にまとめることができます。
見学実習レポート
【表紙】複数枚に渡るレポートは表紙をつけることで1つの報告書となり、作品です。
<タイトル>
「見学実習報告書」
(※具体的な内容に応じてタイトルを変えても良いです。例えば、「〇〇病院 見学実習報告書」など)
<学生情報>
• 氏名:
• 学籍番号:
• 所属学科:
• 実習日:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日
• 実習施設:〇〇病院・施設
・提出日
・担当教諭
【2枚目】
1. 実習目的
(実習で学びたいこと、見学の目的を明確に記述します)
• 例:「臨床現場における作業療法士の役割や、患者への評価・治療過程を観察し、今後の学習に活かすことを目的とする。」
2. 実習内容
(見学した具体的な内容を詳細に記述します。患者の個人情報には配慮し、匿名化した表現を使います)
• 患者の概要
• 例:「心原性脳塞栓で右片麻痺、失語を呈した70代女性」
• 治療内容・リハビリの様子
• 例:「作業療法士は、患者の上肢可動域を評価し、食事動作の訓練としてスプーンを用いたリハビリを実施していた。」
3. 学んだこと
(実習を通じて得た知識や技術、気づき、感想を具体的に書きます)
• 技術的な学び
• 例:「教科書で学んだ評価方法が、臨床の現場でどのように応用されているかを理解した。」
• 作業療法士のコミュニケーションや態度について
• 例:「作業療法士が患者さんに対してリハビリの目標を丁寧に説明し、患者の意欲を引き出していた点が印象に残った。」
4. 考察
(学んだことを今後の学習や実習にどう活かしていくかを考察します)
・患者さんに起きていた現象や発言内容の理由を考える できれば評価した結果から関連性を引き出せると高評価となりやすい。
例)座位で麻痺側への荷重に対して「怖い」と表現したことについて2つ理由があると考える
1つ目は感覚障害による荷重している感覚がなく、どこまで重心移動したら転倒するのかわからないため
2つ目は荷重した際に戻ろうと立ち直るための体幹の反応と筋力が乏しいため、そのまま倒れてしまうと感じているため
• 今後の課題や予後予測
• 回復期リハビリ病棟での入院期間を終えたら自宅退院となるため、退院前に介護保険申請と認定調査の実施。介護サービスの導入としては、片麻痺の状況を家族では介助が難しいため自宅での入浴が困難と予想されるので通所サービスの利用が必要と考える。
• 例:「臨床でのコミュニケーション技術の向上を目指し、患者との信頼関係の築き方を学びたい。」
5. 感想
(見学実習全体を簡潔にまとめます)
例)「今回の見学実習を通じて、患者さんの個別ニーズに対応したリハビリの重要性を学びました。今後は、さらに知識を深め、実践力を高めるために自己学習を続けていきます。」
例)事前のカルテ記載の把握と当日担当する看護師とトイレでの介助の様子を確認してから介入を開始していて、スタッフ間のコミュニケーションが患者さんの安心につながる場面が見られ、介助の仕方も統一を図ることでやりやすい方法を覚えてもらう工夫がされていることを学びました。
6. 参考文献・資料(任意)
(必要であれば、実習中に使用した資料や参考にした文献を記載)
ポイント:
• 実習目的や実習内容は簡潔かつ明確に記載し、読者が内容をすぐ理解できるようにする。
• 学んだことや考察は、自分の言葉で具体的なエピソードと結びつけて書く。
• レポートは客観的かつ論理的に書くことを心がけ、患者情報や施設情報の守秘義務には十分配慮する。
この雛形を元に、自分の体験を具体的に落とし込んでいくと、説得力のあるレポートが作成できるでしょう。