研修会運営の手順

スキルアップ

これまで小さいものから全国レベルまで数多くの研修会に携わってきました。

ほとんどが作業療法士を対象としたスキルアップ研修、都道府県士会主催の座学から実技研修などなど。

コロナ禍を経てWeb会議型の研修が多くを占め、脚を運ぶ手間、時間、安価であることで手軽さが受けているし、育児中や介護中のセラピストにとっては継続的な学習機会になって良い面が多いのは事実。

リハビリテーションセラピスト向けの研修会を企画・運営するには、以下の必要事項と手順を考慮することが重要です。以下に、企画から運営までの流れをまとめました。

1. 目的の設定

まず、研修会の目的を明確にしましょう。

対象: 作業療法士、理学療法士、言語聴覚士など、リハビリテーションセラピスト全体か、特定の専門分野に焦点を当てるかを決定します。がん緩和ケアに関する企画では、セラピストよりも看護師さんや医師も参加する内容も経験しています。

内容: 参加者が研修を通じて何を学び、どのようにスキルを向上させるかを明確にします(例: 新しいリハビリ技術の習得、倫理的判断力の向上、コミュニケーションスキル強化など)。Web会議型は座学やグループワークがメインになります。実技ですと基礎的な評価から専門的な手技まで多岐に渡ります。

2. 企画・準備段階

a. テーマ・プログラムの決定

• 研修会のテーマを決定し、それに基づいてプログラムを作成します。

例: 「高齢者リハビリにおける最新のアプローチ」や「職場でのセラピスト間の連携強化」など。

講師の選定: 専門的な知識や経験を持つ講師や、セミナーで人気のあるセラピストを招待します。

日本作業療法士協会では講師の職種や経験年数などで講師謝金の金額の目安があります。

研修会の規模や内容によってその予算との兼ね合いとしてどなたをお招きするかで集客も変わります。

私の場合は知り合いの専門家にお願いする場合は謝金を提示してお引き受けいただけるか打診します。

研修形式: 講義形式、ワークショップ形式、実技、グループワークなど、内容に応じた形式を選びます。

b. 日時と会場の確保

日程の決定: 参加者が集まりやすい日時(通常は週末や祝日)を選定します。

会場の選定: 参加人数に応じた適切な会場を選びます。オンライン開催の場合は、適切なプラットフォームを利用します。

駅近や立地の良い貸し会議室は価格がかなりかかりますので注意が必要です。メイン会場だけでなく、講師控え室やスタッフ控え室など複数お部屋を押さえなければならないので動線や広さも予め下見しておく必要があります。

オンラインの場合は十分な回線速度の確保ですね。

c. 必要機材の準備

プロジェクターやスクリーンマイク・音響機器実技用のリハビリ機器(ベッドや道具)などが必要です。

• オンライン開催の場合は、通信環境やビデオ配信機材のテストを事前に行います。

3. 集客と広報

a. 参加者募集

• 対象セラピストに対する周知を行います。リハビリ関連の学会や協会のメーリングリスト、SNS、ウェブサイト、職場の掲示板などを活用します。最近はネット上には綺麗で魅力的な文言やデザインの宣伝が多くて目移りします。その分受講生集めに躍起ですから募集の際には目をひくキャッチフレーズやフライヤー、繰り返しのお誘いメールなど工夫が必要です。

• 募集要項には、日時、場所、参加費用、申し込み方法、研修の目的や講師のプロフィールを記載します。

・団体単位でホームページなど展開していれば広報としてサイトに誘導し、チラシに書ききれないコンセプトや想いを見ていただくと研修会のリピート率が上がります。

b. 参加費の設定

• 会場費や講師料、教材費をカバーできるように、適切な参加費を設定します。

• 予算に応じて、補助金やスポンサーシップの利用も検討します。

特にスポンサーについては、例えばがんのリンパ浮腫に関しての研修では弾性着衣のメーカー、講師が多くの著書を手掛けていれば出版関係者など受講生に対して有益な情報提供になることを意識します。

4. 当日の運営

a. 受付・運営スタッフの配置

• 受付、タイムキーパー、進行役などを事前に割り当てます。

• 必要な資料や名札、研修内容をまとめたパンフレットなどを準備し、参加者に配布します。

b. 研修の進行

• プログラム通りに進行できるよう、司会者や運営スタッフが各セッションを円滑に進めます。

• 質疑応答の時間を設け、講師とのインタラクションを大事にします。

5. アンケートとフィードバック

• 研修終了後、参加者にアンケートを配布し、フィードバックを収集します。研修の満足度や改善点を把握するために重要です。

• アンケートの結果を次回の研修企画に活かします。

6. 事後対応

領収書や修了証の発行: 参加者に研修修了証を発行することで、実績として残せるようにします。

2024年からインボイス対応について領収書発行時には気をつける必要があります。

主催者が法人格や大きな学会ともなりますと、参加費に対して出張で行こうとするセラピストは所属する施設の総務に提出する際に問合せが来るので注意が必要です。

私が所属する団体は運営しているセラピスト達は有志ですからほぼ手弁当。営利目的でなくて資本もほぼなく細々やっております。インボイスとは無縁です。

報告書の作成: 研修会の成果や参加者のフィードバックをまとめ、関係者に報告します。次回に向けた改善点も整理します。

まとめ

企画運営の流れは以下のように整理されます。

1. 目的・対象設定

2. 講師や内容の決定、会場確保

3. 集客と広報活動

4. 当日の運営と進行

5. アンケートと事後対応

この手順に沿って準備すれば、充実した研修会を開催できます。

思いつくものを列挙しました。また思いついたら追記していきます。

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TOMORI
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このブログでは作業療法士を目指す方、現役のセラピスト、復職を目指す方に対して学び直し、資格取得、勉強方法、スキルアップにつながる情報、今後は個別での相談受付も視野に進めていきます。

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